治療温泉の効能
「薬理効果」
「塩化物泉」「硫黄泉」など、温泉の成分に応じ、「泉質名」がつきます。
この泉質ごとに「適応症」という効能が認められています。
入浴することにより皮膚から成分が吸収され、泉質に応じた効能が発揮されるのです。
「温熱効果」
温泉により体があたたまることにより、血行が促進されます。
血行を促進されると、新陳代謝が高まりますし、体の中の老廃物が体外に排泄されやすくなります。
「浮力効果」
温泉に限らずお風呂に入りますと、浮力により体が軽くなったような感じがします。
重力から開放されることによるリラックス効果があると言ってもよいでしょう。
筋肉が緩み、心も体もリラックスし、脳波がα波になりやすいのです。
「水圧効果」
体表面にかかる静水圧により全身に圧力がかかり、内臓が刺激され、内臓運動につながります。
つまり、天然マッサージの状態です。
脚には全血液量の約三分の一が集まり、この血液が心臓に送り返されるため「脚は第二の心臓」と言われることがあります。
この脚の血液は、陸上では、重力が邪魔をして血液が心臓まで上がりにくくなります。
ところが、入浴すると、水圧で血管が細くなり、血液が心臓に向かって押し上げられます。
いわゆる「ポンプアップ効果」です。
その結果、下肢の静脈の流れが良くなり、血液やリンパ液の循環も活発になっていくのです。
「転地効果」
日常生活を離れ、環境に恵まれた温泉地に行くことにより五感に刺激を受けると、脳内のホルモンを調節する内分泌系や呼吸、消化といった生命維持活動をつかさどる自律神経の中枢のスイッチが入ります。
そこで、ストレスを解消し、精神疲労や病気に効果を発揮するのです。